メタバース業界は急速に成長し、将来的にはエンターテイメントや教育、ビジネスなど幅広い領域での利用が期待されています。
メタバースの普及により、私たちの日常や活動がデジタル空間で大きく変化する可能性があります。
本記事では、メタバース業界についてや、業界の企業や職種について解説します。
「メタバース」とは
「メタバース」とは、デジタルな仮想空間や仮想世界のことを指します。
この概念は、ネット上の仮想的な世界を表現する言葉です。
メタバースは、コンピューターやインターネットを利用して作られた、現実世界とは異なるデジタル空間です。
一般的なメタバースでは、人々が仮想的な場所で集まったり、コミュニケーションを取ったり、アクティビティを楽しんだりすることができます。
例えば、ゲーム内のオンライン世界、仮想現実の体験、ソーシャルメディア上の仮想空間、デジタルアート展示、オンラインでのコラボレーションなどが含まれます。
将来的には、メタバースはエンターテインメント、教育、ビジネス、社会的な活動など、様々な分野で利用される可能性があります。
技術の進化により、よりリアルで没入感のある体験が提供され、人々がより多くのことを仮想空間内で行えるようになるでしょう。
メタバース業界とはどのような業界?
メタバース業界は、近年急速に注目を集めている新興のデジタル分野です。
この業界は、仮想的な世界や環境を構築し、その中でのデジタル体験や相互作用を提供することを主な目的としています。
メタバースを支えるためには、ハードウェア、ソフトウェア、コンテンツ、通信と、多岐にわたる技術が必要不可欠です。
こうしたメタバースに関連する産業の総称を「メタバース業界」と呼んでいます。
メタバースの発展により、これら関連領域の市場規模は2030年には約7,640億ドル(約93兆円)に成長すると予測されており、大きな産業に成長していくことが期待されています。
メタバース業界を構成する業種
メタバース業界に含まれる具体的な業種を見ていきましょう。
まずハードウェア分野では、VRヘッドセットやスマートグラスなどのデバイス製造があります。
ソフトウェア分野には3Dモデリングやブロックチェーン、インターフェース開発などが含まれます。
コンテンツではVRゲームや仮想空間の設計・製作、アバターやデジタルアイテムのデザインなどが挙げられます。
そして高速通信を支える5G関連サービスも欠かせません。
現在、メタバース業界は以下のような様々な業種から構成されています。
メタバース業界は、テクノロジーの進化と共に急速に成長しており、多岐に渡る業界がこの領域に参入し、新たなビジネスモデルや革新的なサービスを生み出しています。
これからも、メタバース業界はさらなる進化と拡大が期待されています。
メタバース業界の関連注目企業4選!
ここでは、メタバースを提供している企業を4社紹介します。
メタバースで有名な会社がそれぞれ持っている強みについても説明します。
株式会社ambr
株式会社ambrは仮想空間を創造するバーチャルクリエイティブスタジオです。
TOKYO GAME SHOW VR 2022では、「xambr v2」が仮想空間の基盤として採用され、マジック・ザ・ギャザリングバーチャルアート展では企画開発に携わりました。
バーチャルならではの鑑賞体験を創造することを目指しました。
クラスター株式会社
クラスター株式会社は、「cluster」というプラットフォームを提供しており、これを利用することで誰もがメタバース上で音楽ライブやイベントに参加したり、友人と交流したりできます。
さらに、過去には株式会社ポケモンがイベントを主催し、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントが音楽ライブを実施しています。
株式会社HIKKY
HIKKY株式会社は、毎年夏と冬に世界最大のバーチャルイベント「バーチャルマーケット」を開催しています。
出展企業は年ごとに異なりますが、過去にはJR西日本やみずほ銀行などが参加しました。
バーチャルマーケットの特長は、新規顧客の獲得にあります。
イベントは短期間で開催されながらも、100万人規模の来場者を集めています。
バーチャルマーケットへの参加は、新たな顧客層に到達する効果が期待できます。
凸版印刷株式会社
凸版印刷株式会社は、「MiraVerse®」と「デジタルツイン・ワールドトリップ®」というメタバースサービスを提供しています。
MiraVerse®の特徴はそのリアルさにあります。
色だけでなく、インテリアの質感まで再現する能力を持っています。
住宅展示場や美術館など、色や質感が重要な要素となる場所であれば、MiraVerse®はその優位性を発揮します。
日本の注目メタバースプラットフォーム5選
今回は、多くのユーザーを抱える主要なメタバースプラットフォームをわかりやすく紹介します。
国内の主要なメタバースプラットフォームについて簡潔に知れる内容ですので、ぜひご覧ください。
Cluster:日本最大のメタバースプラットフォーム
・仮想空間でのライブやイベント、友人との交流を可能にするプラットフォームです。
・総ダウンロード数100万超。
REALITY:アバターを用いたライブ配信プラットフォーム
・仮想空間を利用したエンターテイメントを提供しています。
・アプリダウンロード数1000万超。
STYLY:XRコンテンツを作成・投稿できるプラットフォーム
・クリエイターやアーティスト向けのツールを提供しています。
・総ダウンロード数500万超。
DOOR:100万人が利用するVR空間プラットフォーム
・多様な体験やコミュニケーションが可能な仮想空間を提供しています。
・ユーザー数100万人超。
XR CLOUD:多人数同時接続可能なバーチャル空間プラットフォーム
・リアルタイムでのコラボレーションやインタラクティブな体験を可能にします。
・1つのイベントに累計数100万人が参加。
メタバース業界の職種
メタバースの開発に関連する職業の種類と仕事内容を解説していきます。
他にも様々な職種がありますが、メタバース関連の職業に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
サーバーサイドエンジニア
サーバーサイドエンジニアは、メタバースにおいて重要な役割を果たしています。
メタバース内の様々な要素や機能、ユーザー体験の基盤となるシステムの構築や運用を担当しています。
具体的には、メタバースでは、仮想空間内でのコンテンツの配信や処理、ユーザーの行動やインタラクションの処理など、多くのデータや機能がサーバーサイドによって管理されます。
これらの要素は、サーバーサイドエンジニアによって構築され、適切な機能を提供するために最適化されます。
また、サーバーサイドエンジニアは、メタバース内でのリアルタイム性や安定性を確保するためのインフラストラクチャの構築や最適化にも関与します。
大規模なトラフィックを処理し、ユーザーが快適な体験を得られるようにするため、データベースやネットワーク、セキュリティシステムの設計や運用を担当します。
さらに、サーバーサイドエンジニアは、メタバースにおける新しい機能やアップデートの実装、スケーラビリティの向上、バックエンドシステムの最新化など、技術的な改善や革新にも取り組んでいます。
これにより、メタバースの拡張性や革新性を高め、ユーザーにより魅力的な体験を提供するための基盤を整えます。
ハードウェアエンジニア
ハードウェアエンジニアは、メタバースの発展や実装において重要な役割を果たしています。
メタバースは、仮想空間内での豊富な体験やインタラクションを提供するため、高度なハードウェアとの連携や最適なデバイスの開発が求められます。
具体的には、メタバースにおけるハードウェアエンジニアは、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)ヘッドセット、センサー、コントローラー、ハプティックフィードバックなどのデバイスの設計や開発を担当します。
これらのデバイスは、ユーザーが仮想空間内でリアルな体験を得るために必要な要素であり、その性能や使いやすさが重要です。
さらに、ハードウェアエンジニアは、メタバースで使用されるデバイスの相互運用性や最適化、新しいハードウェア技術の導入などを担当します。
例えば、リアルタイムでの高品質なグラフィックスやレンダリング、低遅延のユーザーインタフェースなど、ハードウェアの性能向上がユーザーエクスペリエンスの向上に寄与します。
Unityエンジニア・UEエンジニア
UnityエンジニアやUnreal Engine(UE)エンジニアは、メタバースの開発において重要な役割を果たしています。
これらのエンジニアは、UnityやUEといったゲームエンジンを利用して、仮想空間やインタラクティブなコンテンツを構築するプロフェッショナルです。
UnityエンジンやUEは、3Dグラフィックス、物理シミュレーション、アニメーション、サウンドエフェクトなど、仮想空間を構築するための多くのツールや機能を提供しています。
これらのエンジンを活用することで、メタバース内でのリアルな体験や豊かなコンテンツの創出が可能になります。
UnityエンジニアやUEエンジニアは、これらのゲームエンジンを使用して、仮想空間内でのユーザー体験を最適化し、没入感やインタラクティブ性を向上させます。
彼らは3Dモデルの作成、アニメーション制作、物理エンジンの設定、プログラミングなどのスキルを駆使し、メタバース内での豊かな世界を構築します。
3DCGデザイナー
3DCGデザイナーは、メタバースの開発や構築において不可欠な役割を果たしています。
彼らは、仮想空間内での3次元モデル、アニメーション、テクスチャ、環境設定などを制作し、メタバースのリアルな体験を創出します。
具体的には、3DCGデザイナーは、キャラクター、建物、景色、物体、特殊効果など、仮想空間内の多彩な要素をデザインおよび制作します。
彼らの役割は、デザインのコンセプトやアイデアに基づいて、美しいグラフィックスや没入感のある環境を構築することです。
また、3DCGデザイナーは、リアルな挙動や見た目を再現するための物理シミュレーションやライティング、シェーディングなどの技術を駆使します。
彼らの技能によって、ユーザーはリアルなような仮想空間を体験し、没入感を得ることができます。
UI/UXデザイナー
UI/UXデザイナーは、メタバースの開発において重要な役割を担っています。
彼らは、ユーザーインターフェース(UI)やユーザーエクスペリエンス(UX)の設計、開発、最適化を通じて、ユーザーが快適で没入感のある仮想空間を体験できるよう支援します。
UI/UXデザイナーは、ユーザーがシームレスで使いやすいインターフェースを通じてメタバース内で自由に移動したり、コンテンツを楽しんだりできるようデザインします。
これには、直感的な操作やナビゲーション、情報の整理などが含まれます。
また、ユーザーがよりリアルな体験を得るために、視覚的なデザインやインタラクティブ性の向上も重要な役割です。
さらに、UI/UXデザイナーは、ユーザーがメタバース内での行動や体験をより自然に感じるための要素を構築します。
例えば、仮想空間内でのゲームプレイやコミュニケーション、ショッピング体験などが、ユーザーにとってスムーズで魅力的なものになるようデザインされます。
メタバース業界についてのまとめ
今回の職種や関連企業が積極的に活動することで、メタバース業界は大きく成長し、デジタル空間での体験やビジネスが多様化しています。
この成長により、人々の日常生活や活動に大きな影響を与える可能性が高まっています。
たとえば、新しいエンターテイメント形態の出現や、バーチャルでのコミュニケーション手段の拡充などが挙げられます。
メタバースの進化により、教育、エンターテイメント、ビジネスなど、多くの分野で新たな展開が期待され、人々の日常に革新をもたらす可能性があるでしょう。